和の國ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
「熊本ゆかりの染織作家展」実行委員の安達絵里子です。

つい先日お便りしたばかりですが、今週末には「吉田美保子展」が始まります!
まだまだお伝えしたいことがありますので、直前号として今日と明日レポートさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

個展としては短い準備期間でありながら、今も奮闘されている吉田美保子さんですが、ほぼ作品が出揃い、「チラ見せ」写真をお送りいただきました。

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まずは20点ほど出品されるショールの中から一枚をご紹介しましょう。
太めの紬糸によるほっこりとあたたかそうな手織りならではの地風。
女子力を高めてくれそうな深いピンク色。
アクセントとなっている、とんがり帽子が並んだような模様。

さて、こちらのどこが「清正」なのでしょうか!

このショールのデザインソースは「賤ケ岳の七本槍」なのだそうです。
織田信長の死後、豊臣秀吉(当時羽柴秀吉)が後継者として実権を握ることを決定づけた「賤ケ岳の戦い」にて活躍した7人の武将。
「とんがり」は7人の武将が持つ槍をイメージしたものです。
ここに見えるのは6本ですが、隠されたもう1本は、どうぞ和の國会場にてご確認くださいませ!

私が「うまいな」、と個人的に思いますのは、色柄も当時の気風を伝えるものであること。
このピンクは確かに「吉田美保子カラー」ともいえる現代の色彩ですが、今回のテーマ色である「猩々緋」を生み出すコチニールやラックダイ染料の色相でもあるのです。

また、この「とんがり」はこの時代に好まれた「鋸歯文」というギザギザを想起させるものでもあります。
やるなあ、美保子さん!

こちらは本展のために創作した帯たちの一部です。
手前から「清正ストライプ」
「秀吉レッド」
「清正縞」

その左上の2点が
「清正レッド」
「清正ブラック」

さらに左奥は、清正の紋「蛇の目紋」を染め帯にした
「清正ゴールド」
「清正ブルー」
「清正ブラウン」

以上の、どれもが清正公にちなんだ作品です。
それぞれの作品について、和の國個展会場にて吉田美保子さんが楽しく解説してくれますので、どうぞ万障繰り合わせてご来場くださいますよう、ご案内申し上げます。

なお、タイムリーなことに、和の國からほど近いところにある「肥後の里山ギャラリー」(肥後銀行本店1階)で、現在「本妙寺展――加藤清正と本妙寺」が開催されています。
上の写真でもご紹介しております「清正ストライプ」のデザインソースになった、清正公所用の「縞地上衣」も見ることができます。

染織品の実物を見る機会は本当に稀少ですから、「和の國」→「肥後の里山ギャラリー」あるいは「肥後の里山ギャラリー」→「和の國」と、きもの散歩なさるのもオススメです。
肥後の里山ギャラリーでの「本妙寺展」は、12月10日(土)まで。
9時半から16時半まで開館で、日曜祝日が休館です。(無料)

このように美保子さんの作品世界に浸ると、清正公の声が聞こえてきそうです。

「美保子どの、よう攻めて来た。ほめて遣わす。
霊力のある我が蛇の目紋の帯は、マルととらえて受験生のママにもよいではないか。円相ととらえておめでたくも装えるし、輪ととらえて人の和に感謝する席にも似合うであろう。

なに、ワシの財力からすれば熊本城の補修なんて、博多駅前の陥没修理よりも早くできるのじゃが、いかんせん、今の時代は『諭吉』だそうじゃな。わしの時代には諭吉などという青二才は、まだ生まれてもいなかったのじゃ。

皆の者には苦労をかけるが、諭吉を熊本城に送り込むよう、ゆめゆめ怠らぬよう努めるのじゃ。
遅参はならぬ。
まあ、夜討ち朝駆けは戦術の基本じゃが、以下の要領をよく読み、美保子どののトーク会には皆の者、ぬかりなく参集せよ!

明日か明後日の和の國ブログには『熊本ゆかり便り 吉田美保子展直前号 後篇』がアップされよう。
なんと、強力な助太刀が現れるとか。和の國ブログのチェックも、皆の者しかと励めよ!」

 

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清正公の陣羽織 ―― 吉田美保子展

とき:2016年11月21日(月)~23日(祝・水)
   *20日(日)は予約制のお披露目会を開催

じかん:11時~19時

ところ:きものサロン 和の國
    熊本市中央区城東町4-7 熊本電気ビル1F
    電話096(359)0805

◎お披露目会をします (11月20日[日])
 いの一番に吉田の新作をご覧になりたい方、特別にご案内いたします。
 予約制です。お気軽に和の國まで、お申込みください。

◎トーク会をします(11月21[月]・22[火]・23[水]14時~)
 各回30分程度 お申込み不要 無料