朝から店に入り、お昼過ぎには市内を出て、菊池方面に戻りながら「納品とカレンダー配り」という目論みが、見事消え去った。その理由は明瞭。まだ店の仕事があり、終える事が出来ないからだ。物事は、「段取り八部」と思っているが、店で仕事をこなしていくうちに段々仕事が増えてくる。今日という一日を割とラクに考えていたので、髪もセットせず作務衣の上に袖なし半天(久留米絣)という出で立ちだったので、知人とかが尋ねてくると恥ずかしい限りだ。 しぐれたりする荒れた天候の中、お仕立て上がりを取りに来られるお客様もある、「支払いのカードを忘れた。」と一度お戻りになったが、主人に言ったら「年末だからきっちりお支払いしなさいと言われた」と再度おたちよりになった美希子さま(仮称)もいらっしゃる。本当に有難い。あと二日すれば「お正月」、でも自然界では二日過ぎるだけ。日々にメリハリをつけた「暦」を生みだした先人は、本当に凄いと、改めて思う。夕刻、和代さまにお出掛け頂いた。「別注の帯〆」と「こっぽり下駄」をお持ち帰りになるためだ。お帰りの寸前、立ったまま、「今年一年の最後のお客様です。謹んで、『千秋楽』を謡わせていただきます。」と言って、ひとくさり諳んじた。「千秋楽は民をなで、万歳楽には命をのおぶ~。相生の松風、颯々の声ぞ楽しむ、々の声ぞ楽しむ」…と。