月に一度の「隆子ねーさんに学ぶ…謡と仕舞」のお稽古が,和の國で行われた。だから僕は、グレーの縞のウールに茶のシルクウールを履いた。はやり袴はいい。姿勢も気持ちもシャンとなる。胸をはり、お尻を突き出すというお能独特ののポーズが取りやすくなる。しかし、シルクウールの袴は、若干ザラザラ感があるので、動き次第だか、袴の中の内ひざ辺りがチクチクすることがある。安価でシワになりにくいのが特徴だが、やはり長時間履くにはやはり正絹の袴が肌触りがよい。昨晩は遅くまで、「和の國だより」発送に追われた。 さて、過日11月30日、下記のようなメールが入った。
「こんにちは。着物初心者の博多区に 住む40代の主婦です。婦人画報1月号225ページ掲載の半幅帯の価格を、おしえてください。」…と。
 
帯は、「(株)アシュエット婦人画報社」に実際お預けしたが、婦人画報一月号に僕の店の帯が掲載されることは知らされていなかったので、僕は小走りで近くの書店に買いに行った。午後8時の閉店に間に合った。でも、店は9時までだったみたい。
それは、どうでもよい。225ページを見たが乗ってない。夢幻か?下を向いた。ネットで調べたら、1月号は明日(12/1)発売。買ったばかりの本をよくよく見ると「12月号」と書いてある。「明日新しい本が出るのに、何でその前日の夜に古い本を求める。うっっ。」返すに返せない。僕は、オロオロしていた。
 
12月1日、スキップしながら「婦人画報一月号」を買った。225ページがある。それも着物姿だ。見出しには、「大人の半幅帯で遊び感覚の装い」と記されている。水色の飛びの小紋に、和の國の帯が良く合っている。「多彩な色遣いに華やぎがあり、大人の遊び心を感じさせる装いに。」上手い表現だ。モデルさんの茶入れの箱を手に取る仕草も絶妙。早やメールや電話のお問い合わせも、数件入っている。
様々な方とやり取りをする中、大阪の美江子さまより「とてもすてきな色目で、一目で気に入ってしまいました。購入したいです。」とのメールが、夜遅くに入った。
 
日付が変わり翌2日、ご入金も確認させて頂いた。知的で優しいお人柄が想像できる。僕はメールを送った。
「京都で一目ぼれして仕入れ、一度熊本(和の國)に入り、そして撮影の為東京に行き、熊本に戻ってきました。
いろんな旅をして、そして、永住の地、岸和田の美子さまに嫁ぐ…。素敵なことでございます。僕も本当に嬉しく思います。」
 
今日3日は発送日。朝からメールが入っていた。
「最近自分で着物を着るようになり、着物や帯に興味がわいてわいて仕方ないところです。違う目的で購入しました雑誌を見て、あの半幅帯に一目ぼれしてしまいました。いろんな旅をして、ほかにもお問い合わせがあった中で、岸和田の私の元にやってくるのですね。また、京都にも連れてまいります。幸せな気分で土曜日を待ちますね。」
心を込めて、荷造りをした。そして僕は、「元気で、いってらっしゃい」と見送った。