今日は、二十四節季の一つ「白露」。風も秋色に変わってきたような気がする。朝、PCを開くと東京の知人より、「青山の有名なギャラリーに拙者の本『きもの宣言』を置かせてもらえるようになった。今後はこの場所で茨木さんの男性向け、特に海外に行く方々へのセミナーを考えております。」とのこと。知人の紹介で私の生き方や価値観にご賛同頂いた方だったが、このような形になるなんて、夢のようだ。思わず、PCに向かって手を合わせた。皆さまに可愛がってもらい、育ててもらっている。有難い有難い。「必ずいつかは恩返しの出来る男」にと、天に誓った。 さて、7月決算ということもあり、朝9時に菊池本店に税理士がお見えになった。今年はなんとか社会貢献できそうだ。所要を済ませ、11時過ぎに店に入る。数日前は「着にくい」といっていた着物になれてきたのであろう。絽目の半襟を付けた半襦袢に、柿渋染の着物を着て、紗の羽織を羽織った。帯は、夏物の変わり織。 午後2時にご来店予定のお客様を心待ちにする。心美眼の持ち主で、「分からないけど好き~」とおっしゃりつつも、和の國の空間が貴やかなオレンジ色に染まっていくような感覚を覚える。「例えばだか、安田(糊糸目友禅の最高峰)だから好きではなく、好きなのがたまたま安田だった。ブランド物で言いかえれば、シャネルだから好きではなく、たまたまそのデザインや質感が好きだったら、シャネルだった。」同じ上質の物を持つにしても、心もちも違ってくる。素晴らしい美意識であり、価値観だ。染の訪問着にしようか、結城紬にしようかと、頬を赤く染めながらお悩みになっているお姿は初々しく、かつ女らしく…、私の瞼に焼き付いている。 夜は、NPO法人きもの普及協会主催、「人への着せつけ」の研修会を当和の國で行った。今日もまた昼も夜も、着物好きな方々に囲まれて充実した一日を過ごすことが出来た。本当に有難い。