本降りの雨。自宅で雨音を聞いていたら、押入れから番傘(和傘)を手に取っていた。かれこれ、十数年前に求めたもので、和紙に少し虫食いがあるが、差す分にはなんら不自由はない。 業平格子の浴衣に兵児帯を締め、素足に雨用の高下駄を履き、その雨音を聞く為に外に出た。バチバチと打ちつける雨音は甲高く、小太鼓の演奏を聴いているようだった。