今年立てた目標は、「一つずつ」だ。小学一年生レベルだが、僕にとってはとても大切。なぜかと言えば、僕の悪いクセに、「また後で…」と思うことがよくある。やることは沢山あるのに、つい「後で」と思っていると、うっかり忘れたり、また思いだしてそのことが気になっていたりと、やはり良い事は一つもない。
だから、「一つずつ」。それを熊本弁で言うと、こうなる。
「いっちょずつ! いっちょずつ!」」なぜ、よりそう思ったかと言うと…、 昨年暮れ、安達絵里子さんの企画立案で、「熊本ゆかりの染織作家展」を開催させてもらった。多数の来客もあり、成功を収めた。「熊本県人は、美意識が高い」という話になった時、絵里子さんは、こう述べた。「私は数年ですが、パリに住んだことがあります。そのパリの人たちが文化レベルが高いのは、やはり日頃から何気なく美しい街並みを見ているからですよ。どうして、熊本県人の方々が美意識が高いかというと、やっぱり熊本城の石垣ですよ。あの美しさを普段から見ているから、自然の内に美意識が育っているのですよ。」「ふ~ん。」僕は何やら、分かったような分からないような気持ちになった。 でも、気になるのが、熊本城の石垣。「武者返し」と言うけれどもそんなに美しいものか…。それから何度となく近くを通り、また足を運んで眺めた。そして、感じたことが、「石垣も、しっかり土台を作っていないと壊れる」という事だった。「美意識」とは違う気づきだ。当たり前のことのようだが、しかし僕は「ハッ」とした。日々の行動に当てはめると、全くそうだ。目の前の一つことを、一つずつしっかり丁寧にやらないと、「きもの普及」だろうか、何だろうが、全ての事も成就しない。 だから今年は、数日もしたら無理だと諦めるような「ほら吹き8兆?」の目標より、日々、目の前のことを大切にして生きるためにも、「一つずつ、いっちょずつ」という、目標を立てた。これなら、僕にも継続出来るだろう。いや、必ず出来る。仕事に追いつき追い越し、「一つずつ、一歩ずつ」歩みつづけて、実り多き1年とする為にも…。いっちょずつ頑張る!