袖傘雨ならぬ、本降りの雨の一日である。そういった時には、木綿に限るのだが、木綿素材で忘れてはならないのが、「作務衣(さむえ)」である。私は、着物生活が始まる前は、よく作務衣を愛用していた。作務衣生活は、25年ほどとなる。 様々な作務衣に袖を通した。徳島の本藍染の作務衣、デニム風、中国製などなど、ありとあらゆる作務衣を着てみた。その中で、未だに愛用している作務衣が、「徳島の本藍染」の作務衣である。藍染が虫よけになる、抗菌作用があるなど効用は様々だが、この作務衣だけは、本当に着ごごちが良い。 今も着物から着替え、作務衣に袖を通しているが、年間365日の中で真夏を覗いた200日以上は、この作務衣を愛用している。衿が擦れたりして、もうかれこれ、3代目、4代目…、いやそれ以上なるが、きもの生活の中で、人目にはつきにくい脇役であるが、私のPBの主役を演じてくれる…大切な大切な友である。 朝の散歩、きのこ狩り、山登り、魚釣りなどなど、着物で不自由を感じるときは、もってこいのアイテムである。もしも、この作務衣が無く、完全無血なる着物だけの生活であったら「山登り」も「きのこ狩り」も「魚釣り」も出来ず、ON・OFFの切り替えも出来なかったかもしれない。この作務衣をこよなく愛用しているが、洗濯機でガンガン洗っても、型崩れもせず、藍の色も一段とかがやいてくる。子供よりも蚊にもさされにくく、変な虫がつかないのも、やはりこの作務衣のおかげかもしれない。