滞在先のホテルでインターネット接続がままならない。メールが見れること。ネットを開けること自体が実は尊いことだ。日本のネット環境の良さを改めて感じた。綺羅星の着物に紗の羽織(漆黒)を着て、上海万博会場へと向かった。長蛇の列の入場ゲート付近でも、写真を撮られることはもちろん「何者?」っていう感じで全身を舐めるようにくまなく見られる。中国人に見慣れぬ着物姿は一種の日本人のパフォーマンスならよいが、格好のひまつぶしのネタになってそうだ。 夕刻、絽の黒紋付(5ツ紋)・仙台平の夏袴・白足袋に履き替え、舞台へ上がる。「高砂」を舞い、後は「羽衣」「杜若」などの地謡いをさせてもらった。滝のような汗だ。背中ら脇から腰へ、そして手首の汗は袴へと落ちる。この絽の黒紋付は「きもの宣言」当初に作ったものだが初おろし同然。しかし仕舞い衣装となれば裄が若干短い。たっぷりと汗をかいたことで帰ったら京都に「洗い張り」、そして「仕立て直し」へ直行の着物と相成った。高砂の舞と共に、愛でたし目出度し。袴も「したたり」と命名。