早朝より帰国の為、上海浦東国際空港へと向かった。割と飛行機の中は空調が整っているので、麻の襦袢に小千谷ちぢみを着て紗の羽織を着た。空港に着くと、日本人か中国人がほとんどだ。私の中では、品が良い方が日本人、お洋服にしても、派手目の方が中国人との認識があるが、中年の女性となるとどちらか目を疑いたくなるような…元気なおばさんがいる。「オニババ化する女たち」という本も出版されているみたいだが、本当に何処の国籍の方か分からない。視線を山ほど浴びる中、私も逆に人ウオッチングをしてみた。そこで日本人と中国人の違いを発見した。日本人は、「あっ、着物姿だ。」という目線。「ステキ~」という表情の方もあれば「何でここに着物?」というような表情もあるが、その仕草も一瞬で終わる。それに対し中国人は、「この衣装なに~?」と凝視される。そして、まず目が合い、そして目線をそらされるかとおもいきや足元をしばし眺められ、そしてまた視線が顔へと上がっていく。「呉」の國から伝わった衣服なのに・・・。雲間に見える地平線を眺めるうちに長崎空港へ着いた。東京より近くて遠い上海。異国を訪れることでまた、日本の良さ・素晴らしさが体感できた。衣食住全てに渡り、日本に生まれ、日本人で良かったと思う。ご先祖様に感謝。