お茶の当番なので、サマーウール(薄墨色に砂色の千筋)を着て、心急ぎお茶部屋へと向かった。風炉の初炭手前をさせて頂いた。釜を下し、右に移動して、炭をくべる。そして香合を出した後、また釜に手が届く場所へと45度移動している。何百年の歴史を重ねてこの手前になったのだろう…。無駄な動きが無く、とても理にかなったお手前だ。当たり前のことだが、ふと改めてそう感じた。 その旨を師匠に伝えると、「お茶をやっていると、気がきくようになってくる」との言葉が返ってきた。気配り、目配り、心配り、おもてなし、季節の移ろい、一期一会…。やぱり茶道には、日本人の心が宿っている。