朝一8時発、ANA大阪伊丹空港行の飛行機で、久留米絣を身に纏い同色系のウールの袖なし羽織を着て京都へ向かった。月初は京都の各仕入先で新作発表があるからだ。もちろん京都から商品持参で出張にも見える。しかしながら、初だしの希少価値のある商品は京都に上らないと絶対手に入らない。それも、数年がかりでつかんだ仕入先動向に加え、動物的感覚も必要となる。 10時半頃、一軒目の仕入先に到着。お客様よりご注文品探し、着物・帯の購入など精力的に動いた。その中でも「染の野口」は特に活気に満ちている。今の時代にあった商品作りなのか、はんなりとした色合い、モダンなデザインが受けている。洛風林も双璧、良い帯と出会った。また片貝木綿も仕入れ、加納織物では納得の「士呼路(しおじ)」紬の絵羽が、私達を待っていてくれた。また、染屋さん、紬屋さん、白生地屋さん、小物屋さん、足袋屋さんなど、矢継ぎ早に十数件訪れた。一息ついたころにはあたりはすっかり暗く、梵鐘の音が一日の終わりを告げてくれた。