今日も昨日同様、和風ジャケスラに身を包んだ。というのも、コンサートに出かけるからだ。コンサートへの思いは並々ならぬものがある。おかげさまで当和の國は、音楽熱が講じ「河添富士子ソプラノリサイタル」の協賛という立場になっている。本当に有難いし、もったいないことだ。 開演ブザーと共に河添富士子氏が様々なオペラを歌い上げる。サンチリクイドの「夕べの歌」「反映」、「トスカ」の「歌に生き愛に生き」などだ。そして2部のハイライトの歌劇「運命の力」より「神よ力を与えたまえ」はピアノと歌声が一体となり、演奏終了時身震いがするほどだった。流石だ。アンコールは、大好きな「私のお父さん」など3曲聞かせてもらった。そして最後は日本歌曲。それも名作中の名作「荒城の月」だ。美しい歌声、風景も思い浮ぶが、どこかで不協和音が鳴り響いている。「なぜココで、荒城の月?」 しかしながら、店に戻る途車中で、その気持ちは晴れ晴れとした気持ちになった。聞かせどころをあえて、最終コーナーのアンコールで重ねて行くのではなく、2部の最後の曲としている。つまり一部からどんどん山を昇り、頂上が「神よ力を与えたまえ」。その後3曲優しげに歌う。つまり富士の山に上りご来光を拝み、下っていく。そして、裾野から仰ぎ見る荒城の月。そういえば、栗名月の十三夜も近い。まさにオペラを歌いあげながら、日本人の心の旅をさせてもらうような…壮大なる構成だったことに気づかせてもらった。音楽も深い。