地元・菊池で迎える朝。少し心がゆったりとなる。お馴染の作務衣を着て凛とした空気を吸いながらPC業務をこなし、本持参で菊池温泉・薬師湯へ。僕の一番の充電タイムだ。しかし、風呂から上がると何やら、忙しそうだ。店からも家内からも知人からも数件電話が入っていた。そういえば、和の國にて来春10日の為の、「仕舞と謡の臨時お稽古日」だったが、後の祭り。自信持って忘れていた。(オイオイ)お客様宅はもちろん、市役所・法務局にも用があったので、そういったことを優先させてもらい、午後からウール(栗茶・崩し)に着替え店に入った。将軍さまのおでましなので、別珍の袖なしの下に、結城紬のショール(京紫中心の色)を中三つ折りにして、首から垂らしている。それ一枚でもきもの一枚ある。十年以上使っているが、冬は絶対外せないアイテムだ。足元も最近、柿渋の雪駄が多い。右近下駄に比べて、足裏の密着度が高い為暖かく感じる。 そのようないでたちで、元苦手だった熊本銀行本店へ。昨日までとは全く違う動きだ。4時過ぎからやっと、日常業務に戻る。ご来店も多い。ご縁でお振袖のご注文を頂いている。再来年ご成人予定だが、今の時期は、来年一月の新作発表の作品も染め上がり、商品も揃う。京都で新作発表の前に、いち早くご覧頂く予定で、京都の精鋭の染元から続々とお振袖が到着している。その荷を開けて、値入れをする作業に追われた。ただ値入れするだけでなく、良いお振袖が特に今回多いので、広げてみたくなる。ふと時計に目をやると、午後10時を刻んでいた。「街は、イブで多いらしいよ」と家内が言ったが、「ふ~ん。」と一言で済んだ。 明日は、午前中より月に一度の税理士がお出掛けになる日だ。しかし、僕担当の仕入先支払い一覧を入力したり台張整理がまだまだ残っている。ラジオから流れるクリスマスソングを耳にしながら、イブの夜も更けていった。