この冬初めて、ボルドー色の塩沢紬に袖を通した。元来は鶯茶だったけど、10年以上前、京都の仕入れ先より「商売人は、亀甲文様は着ない方がいい。」との指摘を受けた。よって、鶯茶から濃めに目引き(色かけ)した次第だ。風合いが紬なので、裏地は木綿の金巾(かねきん)胴裏をつけているが、その風合いがまた良い。しかし、だいぶ着ている愛用の一枚だ。年齢で言えば、米寿位だろうか。袖口は共布を使っているが、左袖のみ布が切れかかっている。腕時計をしているからだ。また、衿先の帯が当たるところも、少々布が薄くなっている。でもこの着物を着ると、ほっこりして心まで暖かくなるような気がする。 午前中は、ご予約の山本様(仮称)御一行にお出掛け頂き、再来年ご成人のエリナさま(仮称)に可愛らしく美しいお振袖をご用命頂いた。上品なイメージを伝え、品質の高い京都の仕入れ先7社・帯3社から取り寄せた甲斐があった。お昼からは、一度作務衣に着替え、その加工品や商品の発送に追われた。日が暮れ小雪が舞う中、一品持ち寄りで「ありがとうの忘年会」を和の國で催した。笑い声も絶えなかった。