今日は、家内の実家(平川洋介家)の年始。しかし、亡祖父の33回忌と7回忌をも含んで、懇親会場は別会場の温泉旅館だ。ゆえに今年初めて、バシッと髪もセットし着物に袖を通した。きっちりと寝押しをしたボルドー色の塩沢紬に結城縮の漆黒の羽織、そして帯は、北川弘恵さん作(手引き木綿紋織り・栗茶色)を締めた。正月三ヶ日でやっと「初おろし」が出来た。やぱり、木綿の風合いもほっこり優しげだ。凧揚げの絵柄の和手拭いをそっと懐から取り出し、新春の食事を頂いた。和やかに会も進み、僕はそこで温泉(花風亭)に入った。 そこから自宅まで約7km、家内は実家に戻ったので、着物を着たまま歩いて帰っていた。小雨が振り出した。道路の左を歩いていたのだが、黒い車が止まり、一瞬「ドキッ」とした。窓が開くと、菊池でお茶仲間の先輩がにっこり微笑んだ。「雨に濡れるから、乗っていきならんですか?」僕は、「は~、何で分かるのですか?」と尋ねたら、ニコニコしながら、「着物着て、道ばあるきよんなる人は、茨木さんしかおんならんでしょう。遠くから分かりましたよ。」一瞬嬉しいような気になって、僕も笑った。しかし、そんなに僕と目立つのか、ちょっぴり恥ずかしくなった。