みなさま こんにちは 野田和子です (*^_^*)
本日4日は立春ですが、日本列島はまだまだ真冬のお天気のようです。
ですが、本当の春はすぐそこまで来ております。
先日、熊本市現代美術館で開催中の“鉛筆のチカラ” 木下晋・吉村芳生展を観てまいりました。
木下さんはH10からB10までの鉛筆(濃さの違う黒)を使って描かれております。
吉村さんは黒はもちろんですが、色鉛筆も使われております。
お二人が描かれた絵はとにかく緻密で、『一枚の絵を描くのに一体どれくらいの時間を要したのだろうか・・・』と考えてみましたが、残念ながら体験のない私には到底思いも及びません。
美術館で沢山の作品を観ていくうちにふと頭をよぎったのが、布を織る作業でした。
特に“織り”の反物は、糸を紡ぐところから始まり、染めの工程、機に糸を渡して12m以上もの長さをひたすら織る・織る・織る・・・こちらも気の遠くなるような作業の繰り返しを続けなければ反物は出来上がりません。
昔はこの作業があっての“着るもの=日常着”だったのですから、誰でもがこれにかかる“時間”は知っていた訳です。
ところが、何でもがスピード化されてしまって、簡単に自分の目の前に出て来るような現代では、モノ作りにかかる時間を知る人は少なくなって来ているような気がします。
余談ですが、成人式の直前(一週間とか)に呉服屋さんに出向いて振り袖をつくられる・・・というお話しを毎年耳にしますが、反物の地直しから縫い上げるまでの、この“時間”をご存じない方が増えてきているという事実をとても残念に感じます。
と同時に、沢山の時間を費やされて出来上がっている着物をもっと沢山の方々に着ていただきたいと強く思いました。
最後に、現代美術館の展示物の中に写真OKの作品がございましたので、ご覧頂ければと思います。
吉村さんのフジという作品ですが、残念ながら吉村さんは昨年12月にお亡くなりになっておりますので、右端の方は志し半ばでの絶筆となっておりました。
2月8日までの開催です。19:30まで入場出来ますので直にご覧になることをオススメいたします。
本日もご覧頂きましてありがとうございました。